浮気された者から浮気をした者への離婚請求は絶対に認められるのか3(浮気の証明)

当ブログにようこそ。

 

渋谷で弁護士をしている上野訓弘です。

 

今回も引き続き、浮気された者から浮気をした者への離婚請求が絶対に認めらるかの問題について記載します。

 

今回は、「浮気の証明」の話です。

 

■前回までの記事はこちら
・浮気された者から浮気した者への離婚請求は絶対に認められるのか①
・浮気された者から浮気した者への離婚請求は絶対に認められるのか②

 

1 そもそも浮気を立証できるのかという問題(「浮気の証明」の問題)

 

前々回の記事(その①)に記載いたしましたように、

 

浮気をされた者からの離婚請求は、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認められるときを除いて、認められます。

 

しかし、これには、大前提として、浮気した事実が認められなければなりません

 

浮気をした者が浮気を認めていた場合には、浮気をした事実は当然認められます

 

ですが、浮気をした者が、浮気を否定していた場合には、その浮気の事実を証拠によって証明すること、すなわち立証が必要になります

 

ところで、当然ですが、堂々と浮気をする人はいません。

 

隠れて行います。

 

そうした隠れて行われた浮気を立証できるのでしょうか?

 

また、立証はどのように行われるのでしょうか?

 

 

 

2 浮気の立証には、様々な事実、証拠を積み重ねて行います

 

まず、浮気の立証は、困難な場合も少なくありません。

 

そもそも、浮気の決定的な証拠がない場合もあるからです。

 

もっとも、そうした場合でも、浮気をうかがわせる事実及びその事実を示す証拠から立証をしていきます。

 

たとえば、

 

「夜に、一人暮らしの部下(女性)のマンションを訪問した」

 

「訪問した際、夫は、その出入りに当たり腰をかがめてあたりをうかがうような姿勢をとっていた(その様子を調査員がカメラで撮影)」

 

「夜に訪問した理由として夫は、不審者の監視、その女性の部屋の修理のためであるという(不自然な)理由を挙げている」

 

「以前、妻が夫に不倫問題を問いただしたときに夫は激高した」

 

等の事情から、「男女関係を含めた特別の関係にあったことを強く推認させるものといわざるを得ない」と裁判所にいわせしめた例(東京地方裁判所の平成16年 9月28日判決:事件番号平14(タ)774号)があります。

 

 

もちろん、浮気をうかがわせる事実には、上記に限らず様々なものがあります。

 

たとえば、

 

浮気相手と2人だけの旅行をうかがわせるメール、

 

誰と行ったかは分からないけれどブティックホテル(ラブホテル)を利用している事実、

 

不倫相手と考えられる人物との不自然な接触状況等です。

 

これらについては、写真、メール、ライン、携帯電話の受信・着信履歴、会話等を録音した録音テープ、クレジットカードの明細(明細からは、どこで何を買い、切符の購入、ホテルの利用等が分かることがあります。)等が証拠になります。

 

 

ただし、証拠や、その証拠の収集方法によっては、証拠の価値が低下したり、さらには犯罪になってしまう場合もあるので、ご注意ください

 

 

 

3 次回予告(次回は、まとめです)

次回は、この「浮気された者から浮気をした者への離婚請求が絶対に認めらるかの問題」についてのまとめを掲載いたします。

・浮気された者から浮気した者への離婚請求は絶対に認められるのか④

 

 

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